
フランスのヴァレンタインと愛
愛の国と謳われるフランス。
フランスのヴァレンタインとはどんな感じだろう。
フランスでは、「女性が思いを伝える日」あるいは「チョコレートを贈る日」ではなく、双方平等に思いを伝えあう日、あるいは確認しあう日だ。
だがもちろん女性のほうが優位に立つことが多いフランスでは、男性のほうがプレゼントや花を買いに走ることが多い。
イギリスにいたときは、男性が前もってブーケを予約して、相手の職場に届けるということも多く、花屋さんは大忙しだった。うらやましい、なんて思うのは早い。フローリストの友人に聞いたところによると、一人の男性が妻と恋人、両方に送るケースが非常に多いとか。そしてミセス何とかでないほうの女性、つまり恋人のほうへの予算がいつだって高いのだとか。
フランスに話が戻ると、この日にはレストランで食事をするカップルが非常に多い。レストランではヴァレンタイン特別メニューが創られ、普段よりさらにグレードアップしたディナーコースが恋人たちの夜をロマンティックに演出する。
いわゆる日本のような「告白」はあるのかというと、ヴァレンタインの日に限ってはそんな展開もあるかもしれない。
だが一般的にフランスでは、どちらかが「好きです。付き合ってください」なんて言ってお付き合いが始まることは少なそうだ。職場や友人の集まりなど、何かのきっかけで知り合い、何度か一緒にデートして、いつの間にか付き合いが始まっていたという人が多い。結婚するカップルが多くないフランスでは、同棲がお付き合いの次の大きなステップとなり、この段階で子供をもって家族になっても全く不自然でない。そしてたとえ子供がいても、カップルの間の「愛」が薄れたら一緒に居続ける理由とならないのもフランス。両親はさっさと別れて次のパートナーを見つけ、子供は双方の親の間を行き来する。
フランスではカップルの間の「愛」とはいつだって、アクティブで真剣勝負なのだ。
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