
注文制作過程
経験豊富なアート・アドバイザー、ジョゼフィーヌが自身の経験と共に、コレクターの参考になるようなストーリーを寄稿してくれます。

ジョゼフィーヌ・コーポラ
ドイツ、ベルリン出身
大手オンライン・アートギャラリーSINGULARTにて、年間2000件以上の作品を扱った経験がある。特に額装に精通しており、ヨーロッパのコレクターの傾向について、不定期でコラム執筆の予定。
皆さんはアート作品の注文制作についてご存知ですか。
ヨーロッパでは特に、気軽に注文するコレクターが増えています。
アートアドバイザーとして常時10件から15件ほどの注文制作を手掛けていたジョゼフィーヌが、ヨーロッパのクライアントとの注文制作のやり取りを語ってくれます。
クライアントの希望を具体化する
「ヨーロッパ有数のオンラインギャラリーのアートアドバイザーとして、最も印象的だったのは、コミッションワーク(注文制作)の仕事です。特に、既存のものではない題材の場合は大変ながらも思い出に残ります。」
ー既存のものでない題材、つまり、すでに売れてしまった作品があり、似た作品をもう一作欲しい、と言う場合には、アーティストにそのイメージを伝えるのは比較的簡単です。
しかしそうでない注文には、アートアドバイザーの正念場となりますね。
「お客さまの心の中にあるアイデアが出発点です。多くのお客様は、すでに自分の好きなアーティスト、スタイルやテクニックに納得のいくアーティストを思い浮かべています。
その思いは、まだ頭の中でぼんやりと形を取れていないこともあれば、すでにはっきりと輪郭をもっていることもあります。
私たちはそのアーティストに連絡を取り、話し合います。
クライアントのアイデアと情報をまとめ、注文制作品のテーマを発展させるのはアーティスト次第です。
クライアントの期待に応える最良の方法は、作品制作開始前にスケッチを提供することです。」


価格合意と制作開始
「通常、クライアントが価格に合意した時点で、アーティストはいくつかのドラフトを作成し始めます。作家は1〜2週間以内にいくつかのアイデアを出し始めます。多くの場合、この作業はデジタル形式で行われますが、時には鉛筆画の下書きとして行われることもあります。
実際の制作が始まる前に、お客様からフィードバックを頂けると非常に助かります。」
ーそこで少なくとも構図や、全体の雰囲気についてわかりますし、双方の食い違いが重大になる前に修正できますよね。
「お客様とアーティストが、テーマ、ディテール、色、雰囲気について合意すれば、アーティストに制作開始のゴーサインが出されます。」
制作から完成へ
次のステップでは、お客様にできるだけ制作プロセスをお知らせします。
可能ならばさまざまな段階の写真を何枚か送るのです。ここでも、お客さまが望むような小さな変更が可能です。そして一歩一歩、作品に命が吹き込まれていくのです。そして、完成した作品の写真を送ることは、クライアント、アーティスト、アートアドバイザー、すべての人にとって、とてもエキサイティングな瞬間なのです。両者で練り上げたビジョンが完成した作品を見るのは、とても素晴らしいことです。
クライアントが作品を自宅で受け取り、その全貌を目にしたとき、とても感動的で美しい瞬間があると信じています。お客様からお礼として、たくさんの素敵なことばや壁に飾られた写真を送っていただくこともあり、アーティストもいつもとても感謝しています。このように、誰にとっても素敵なプロジェクトなので、私はいつも注文制作を進めています。」
ー詳細ありがとうございました。
*大倉アーツより
ジョゼフィーヌと一緒に働いていた私にとっても、注文制作は、一番チャレンジングであり、そして喜びの大きい仕事でした。
大倉アーツでもプロセスを詳しくご説明し、きめ細かい調整をいたしますので、お客様のご要望の注文制作品が出来上がるものと信じております。
例えば、あるアーティストの作品が気に入ったものの、大型すぎて、スペースに合わなかったり、価格が予算を超す、といった場合も、フォーマットを変えることで対応させて頂きます。
お気軽にお試しください。