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マグリット美術館 ブリュッセル

マグリット美術館 ブリュッセル

ブリュッセル中心部に2009年に開館した、比較的新しい美術館ミュゼ・マグリットは組織的には王立美術館の一部をなす。

 

 

 

 

シュルレアリズムの中の偉大なアーティスト、ルネ・マグリット。工事中の横断幕は建物のカーテンの向こうにある景色を空と共に描き込んだもので、マグリットの作品世界を想像させるに十分で、非常に話題になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

18世紀の建物の外見を大幅に変えるわけにはいかないが、この工事中の横断幕のほうが美術館としてはずっとインパクトがあって、そのままにしておいた方が良かったのではと思える。

工事中の外観

現在の外観

ルネ・マグリットは1898年にベルギーで、テーラーの父と帽子仕立て屋の母との間に生まれた。

 

生涯、制作の時でもスーツをかっちりと着こなすマグリットの姿が写真に残り、帽子が彼の作品の重要なモチーフとなっていくのは、この生い立ちが影響しているのだろうか。反教会派で浪費家の父と厳格なカトリック教徒で鬱傾向にあった母。彼女はマグリットがまだ14歳の時に入水自殺をした。

作品を理解する足掛かりとしたくなるこれらの要素で、自分の作品を「解析」されることに、しかしマグリットは反対であった。作品は常に作者の説明によって理解されるべきで、生い立ちから精神分析されるものでないと考えていたのだ。知的な理論のもとに、アーティスト自身が作品を解説する。ここが、現代アーティストにつながる、マグリットの新しい点だったと思う。

 

 

 

 

1927年にフランスに移ると、パリのシュルレアリズムの仲間たち、アンドレ・ブルトン、マックス、エルンスト、サルバドール・ダリなどと出会い交流したマグリット。

美術館は3フロアに分かれており、まず最上階に上って下の階に下りながら見学をすると、マグリットの人生、マグリットを巡る人たちを年代別に辿れるシステムだ。

 

 

彼が何を考えつつ、徐々に作品を発展させていったか、彼や仲間に見守られつつゆっくりと考えながら周るのに最適な空間となっている。

上半身が背景に溶け込む女性像。額縁も下半分が溶け込んだような工夫ある作りとなっている。

至る所に見られる、マグリット自身のことば。

 

” 私は自分の過去も、人の過去も嫌いだ。

私は諦観も、忍耐も、仕事における英雄的意識も、つまり、人から期待されるような全ての素晴らしい感情が嫌いだ。

・・・・・・・・・・・・私が好きなのはブラック・ユーモア、ちょっとしたそばかすと膝。女性の長い髪、子供たちの自由な夢、道を駆けてくる若い女の子・・・”

 

マグリット美術館

Adresse : Pl. Royale 1, 1000 Bruxelles, Belgique

開館時間

火曜から金曜 10時から17時

土曜から日曜 11時から18時

閉館日 月曜

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