
クリスマスツリーの飾り方
フランスではほとんどの家庭で生木のクリスマスツリーを買ってくるのが一般的だ。
11月の末になると、花屋やスーパーの外にはたくさんのツリーが立ち並ぶ。郊外の大きなスーパーや園芸店には、テントを張って、特設会場が設けられたりする。
高さ50センチくらいのものから2メートルをはるかに超すものまであり、価格ももみの木の種類とサイズによって異なる。
これ、と決めてお店の人に告げたら、専用の機械を使い、ネットにくるんでくれる。
配達も頼めるが、アパルトマンの5階に住んでいて、エレベーターがない、とか(パリにはよくある)、とんでもなく大きい、とかでなければ、自分で運ぶ人が多い。
我が家では家族の要望で、だいたい2メートル以上のものを選ぶが、自家用車で運んでくる。もみの木の葉が落ちてきて大変だが、どうせ生木を使う以上、家の中でもボロボロ落ちるのは免れない。

ところで、木は丸太を半分に切った台に差し込んで飾るのだが、これは別売りだ。
気を付けて見ると、木だけ買う人が多いから、皆再利用しているのだな、と思っていたが、クリスマスの後に、そこだけ外すのも面倒でそのままゴミに出していた。そして、路上に出すと、回収前に台だけ持って行かれることも多くて、再利用需要が多いことに気付かされたものだ。
去年は珍しく取っておいて、今年こそは再利用にチャレンジしてみた。
しかし、丸太にうがってある穴の大きさと、もみの木の幹の部分が必ずしもピッタリ、同じ大きさになるわけでもなく、叩いたり削ったり、なかなかの手間だった。再利用は1年でくじけそうだ。
この丸太の下に、ビニールの袋などを敷いておくのを忘れてはいけない。丸太も生なので1か月も飾っておくと、下の木のフローリングが腐ってききたりするのだ。
さて、もみの木を設置した後は、電飾を付ける。幅が大きい木の場合は二人がかりでコードを回していく。そしてやっと、飾り付けに入っていく。


オレンジや林檎をつるしたのが始まりというクリスマスの丸いオーナメントは、伝統的には吹きガラスで薄く作られる。
もちろん、星やジンジャーボーイなど、いろいろな形をしたオーナメントも人気だし、この時期に売られるステッキ型のキャンデーは、そのままひっかけるのにちょうどいい。
最近の流行はガラスドームだ。
ミニチュアのガラスドームの中にいろいろなかざりが入ったものは、かわいくて何個も飾りたくなるが、生木というのは、日が経つにつれてだんだんと乾燥し、小枝もたれ気味になって、飾りが落ちてくるから注意が必要だ。ヨーロッパの家は集中暖房や、時には暖炉で冬の室内を常に暖かくしているから、こまめに換気したり、霧吹きで水を吹いたり、といったメンテナンスが必要になる。
飾り付けの最後に、てっぺんに星を付ける。
クリスマスにはこの根元にプレゼントを飾り、交換し合う。
そしてクリスマス・ツリーはクリスマスの後も飾られ、1月6日のエピファニーを境に処分される。各自治体で、クリスマスツリーの収集日が告知されて、住民はその日だけ路上にそのまま出して、回収してもらうのだ。
サスティナビリティ―を考えれば、そして、こまめな掃除、霧吹き、などの手間を考えると、生木を使う時代もやがて過去のものになっていくのだろう。
大倉アーツのクリスマス・コレクション、展示中です。
Chistmas collection (English)
Christmas Collection


