
アントワープ王立美術館
アントワープの王立美術館(Koninklijk Museum voor Schone Kunsten Antwerpen)は2011年4月30日に改修のため閉館し、その扉を再び開けたのは2022年9月24日だったという。
クリスマスの後にアントワープに小旅行をするのは恒例となっているが、博物館、レンブラントの家、大聖堂など、主要な見どころはだいたい一度は訪れている。
宿泊したB&Bの饒舌なオーナーが教えてくれなかったら、10年以上訪問者を受け入れてこなかった美術館のことなど、思い出しもしなかったはずだ。
パリでなら、まず予約してから訪れるのに、いきなり現地に行ってしまったが、当日のチケットを手に入れることができたのは幸運だった。予約枠は約1時間後だったので、美術館前のカフェでゆっくりと暖を取りつつコーヒーを楽しむこともできた。
入場料一人20ユーロ(約2800円)というのは、パリから見ても高いが、今後ヨーロッパの美術館はこれくらいが主流になっていくのではないだろうか。
王立美術館が誇るコレクション。その数たるや、錚々たるものだ。
意外にもコンテンポラリーアートも充実していた。もっとも、この開幕展示に向けて、他所から借りてきている作品も多数あった。
新鮮なのは、ルーヴルやその他の「老舗」美術館と同じような重厚な展示室やギャラリースペースで、展示の仕方は必ずしも年代別、アーティスト別ではなく、「光」であるとか、「異質なるもの」と言ったテーマに沿って、17世紀の作品も20世紀の作品も並べて置かれていることだ。


そして至る所に置かれたオブジェは子供たちが自由に入ってり、登ったりして遊べるようになっている。
歓声を挙げて子供たちが遊びまわる。
こんなところから、子供たちはアートに関心を持って行くのではないだろうか。
美術館が19世紀からの博物館学に倣うだけでなく、展示の仕方やパブリックへのアプローチを大きく変える必要に迫られている今、満を持してアントワープ王立美術館はその再スタートを切った。
KMSKA
(Koninklijk Museum voor Schone Kunsten Antwerpen)
Leopold de Waelplaats 1, 2000 Antwerpen, Belgique
毎日10時から17時までオープン



