ジェンナ・ドラトル
ジェンナ・ドラトルの作品は夢見るような表情の美しい女性を多く描き出している。その作品がデコラティブな陳腐さに陥らないのは、ひとえにその女性たちの強いまなざしにこもったリアルな生のエネルギーの故であろう。まっすぐに見るものを突き抜けるまなざしには血の通った息吹、個々の越えてきた人生を感じさせる。たとえ背を向けていても、その美しい背中は生のエネルギーを発散させているのだ。
始めにグラフィックデザイナーとしてのキャリアをスタートさせた彼女は、水彩画のコンクールに入賞し、フランスの郵便切手にデザインが採用されている。

作品
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その生い立ち
現在はボルドーを拠点に活動するジェンナ・ドラトルは、繊細なレース細工で知られる、フランス北部のカレーの街の海岸近くに生まれた。
インテリア・デザインが得意な母と、余暇に絵画制作を嗜む父。廃墟のように古い家を改装し、壁にフレスコ画を描いて新しい魂を吹き込むほどに創造性豊かな両親のもとで彼女は育った。幼くして自由な精神を持つ過敏な子供だったジェンナ・ドラトルは、7歳の時には学校の美術の授業に反旗を翻し、指示を受けずに自分で自由に創作することを望んだ。
長じて心理学の学位とマーケティング及びビジネスの修士号を取得し、モードの世界で総合職として華やかなキャリアをスタートさせた彼女だが、その才能が本当に開花したのは、旅行や芸術的な出会いを通し、アート制作に専念するようになってからだ。
その作風とテーマ
まずイラストレーターやグラフィックデザイナーとして活動した彼女が、初めてパリのアート展覧会で絵画作品を発表したのは2021年9月のことだったが、すぐにその作品は注目を浴びた。
彼女の永遠のテーマであり、インスピレーションの源でもあるのが、「女性とは何か」ということだ。
世界に現実に存在する女性たち、過去の女性かもしれないし、現在の女性、あるいは未来に生きる女性かもしれない。その姿がアーティストの筆によって現実を飛び越え、キャンバスに咲くかぎり、その年代は問題ではない。直感的なインスピレーションによって選ばれた色が、女性を表現するために、キャンバスの上に置かれていく。
女性たちは、彼女自身を反映し、その人間的な本質を映し出す鏡だ。
彼女は、意識と無意識の複雑な絡み合いを描く。絵を描くことで自己の内面と外界とのつながりを作り上げる。絵画との鏡のような関係を無意識のうちに育み、創作過程での絵画との対峙は自己の意識を開示することでもある。
彼女の絵画は、その感性、周りを取り巻く世界への共感、そして深くかつ軽やかに自己を内省した成果を純粋に表現したものだ。
彼女はベルギーのアーティスト アラン・アリアス・ミッソンの言葉の言葉をモットーに引く。

プロフィール
展覧会歴
2021 アートフェア Expo4art – Parisへの初出展 パリ
受賞歴など
2020 ウェディング関連の展示会において水彩画部門で1位を獲得 ボルドー
フランス郵便局の切手デザイン制作