ナタリー・トゥスナコフ
ナタリー・トゥスナホフは、幼少より芸術活動に親しんでいた。
子供の頃は、グアッシュを使っては素朴な風景画を描いた。海岸で観光客に売れたこともある。10代の頃にはキャンバスに油絵で聖母を描き始め、アーティストであることを意識し始めた。
しかし、パリ装飾芸術学校に入学した彼女は、「アーティスト」としての枠にとらわれることを恐れ、印刷芸術（イラストレーション、版画、シルクスクリーン）を選び、子供向けのイラストレーションの修業も積んだ。
作品
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その後、イラストの道に行くよりも、偶然が重なりフランスの有名ブランド、クチュリエや高級メゾン（エルメス、クリスチャン・ラクロワ、モエ・エ・シャンドンなど）に見いだされて、多くのカリグラフィーを手がけることになった。
2003年、彼女はパリの豪奢な生活に見切りをつける。自然に親しむために家族とともにパリを離れ、地方から出版社とのカリグラフィーのコラボレーションを開始する。しかし、2008年にタスマニアを旅行した際に、ヨーロッパとは根本的に異なるアプローチをする現地の版画家の作品に出会ったのが、大きな転機となった。そして、フランスに帰国後、トゥールーズのAtelier de la Main gaucheで版画制作のトレーニングを開始した。その後、エッチング（銅版画）やリノカットを中心に制作を続け、2015年よりAtelier de la Main gaucheで講師を務め、個展・グループ展に多数参加している。
しかし、版画における色の導入にはかなり制約があり、もどかしさを感じるようになった。30年近い、長い放浪と回り道を経て、彼女は人生の初恋ともいうべき絵画制作に戻ってきた。ナタリー・トゥスナホフは再び一から始めて、伝統的な油絵の技法、そしてテンペラ技法（卵を使った伝統的技法）の訓練を受けた。
現在、彼女は木板に油彩、時にはテンペラで絵画を制作している。好んで描くテーマは、女性像と自然だ。女性肖像画は、周りの環境とも密接につながり静謐さを映し出している。伝統的な方法を用い、ジェッソで準備した木製のパネルに、透明な油で、薄く層を作り、釉薬をかけて描きだす。そのインスピレーションの源となるのは、フランドル地方のプリミティブ絵画の巨匠たちやルネサンスだけでなく、中世の写本に描かれた装飾細密画だ。
プロフィール
個展 （版画と絵画）
2021年 Ic’Art Conseil ギャラリー、セギュレ、ヴァール県、フランス
2019年 フランスとルクセンブルクで複数の現代アートフェアに出展。
2017年 個展 Atelier de la Main Gauche トゥールーズ、フランス
2016年 La Mucca トゥールーズ、フランス
2015年 L’Instant Bucolique トゥールーズ、フランス
2013年 個展 Galerie des Carmes トゥールーズ、フランス
2012年
- 個展 Galerie des Carmes トゥールーズ、フランス
- カネのメディアテックとモーレの版画美術館のコラボによる展覧会 フランス
2010年 個展 Atelier de la Main Gauche トゥールーズ、フランス
グループ展（版画）
Les Estampes Mobiles という版画芸術グループの活動として :
2019 ソネビルミュージアム ソネビル、フランス
2017 Galerie des Bains Douches サヴェルデュム、フランス
2016 ギャラリー・ド・ヒロンデル、カルラバイユ、フランス
2015
- Ombres Blanchesトゥールーズ、フランス
- ブリュッセル、ベルギー
- 地中海版画美術館 モンペリエ、フランス
グループ La Main gauche（トゥールーズ）の活動として:
2017 エスパス・サン・シプリアン「アトリエでの彫金10年」
2014、2015年 「Cent Centimètres Carrés」カルラバイユ、フランス
2014
- La Goutte d’eau トゥールーズ、フラン
- パレ・ド・ジャスティス、トゥールーズ、
2015、2014、 2013、 2011、 2010
グループ展 アトリエLa Main gauche トゥールーズ、フランス
2014、 2013
Journée de l’Estampe Contemporaine 現代版画イベント パリ、フランス
カルルベイユ（アリエージュ）「L’estampe et la narration graphique」、2014年3月に開催。
ミディ・ピレネーでEstampadura協会と様々なグループ展を開催。