岡本慈子
アーティストとしての軌跡
日本の和歌山出身の日本人アーティストである岡本慈子は、これまでにフランス、台湾、イタリア、セネガルなど、さまざまな国で暮らし、非常に国際色豊かなバックボーンをもっている。
神戸女学院で英文学を修めたのち、アメリカに渡り、Eastern Oregon State College でBAを取得するが、この留学中にコンテンポラリーアート鑑賞のクラスから現代アートに興味を持ち始めたという。帰国後、絵画販売業者のもとに就職するが、ピカソやシャガールなどの本物の作品に触れるうちに、アートへの思い、フランス語も学びたいという思いが強くなり、フランス、パリに語学留学した。
作品
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その後でアートビジネスの学校に行くプランもあったのだが、結局彼女が決意したのは、パリの美術予備校に1年間通い、デッサンや色の基礎など技術をきっちりと習得することであった。このアート・トレーニングと並行して、パリ第8大学において英文学科の修士号 も取得している。
この一年間の密度の高いアート・トレーニングが、のちのアーティストとしてのキャリアの上で非常に重要な基礎になったと彼女は語る。
その後、配偶者の仕事の関係で彼女は何度もフランスに戻り、延べ10年以上の時間を過ごすことになる。パリでの滞在は、美術館だけではなく、ダンスや映画など、様々な芸術的インスピレーションを受けることにもつながった。
パリではアーティスト達が集まる共同アトリエに通っては制作した。様々なバックグラウンドを持つ、多くのアーティスト達と知り合い、アドバイスをもらったり、刺激を与えあったりすることで、作品を作り上げていった。
2017年から2022年まで住んだ台湾では特に精力的に活動をし、展覧会活動のみならず、creative art classを主宰し、台湾人を中心にアート制作の指導をしていた。現地のコンテンポラリーミュージックの作曲家と、音楽とアート制作のコラボをしたこともある。
その作風
彼女の芸術制作の根幹にあるものは東洋と西洋のバランスをとることだ。60年代から80年代のヨーロッパとアメリカのアーティストに影響を受けながらも、日本の伝統的な美術の構図や色彩も意識して取り入れている。主にアクリル絵の具を使用し、時には紙や砂、布などを使ったコラージュでボリュームと厚みを出すこともある。
外国で長く暮らせば暮らすほど、生まれ育った日本の文化の素晴らしさを感じ、小さい頃自分の祖母が着ていた着物や木造建ての色合い、畳の匂いや庭の桜への懐かしい思いが出てくるという。絵の中に、日本的なノスタルジックと、西洋的な理性的論理とが両方見え隠れするような、微妙なバランスを表現しようと、彼女は制作を重ねている。
岡本慈子にとってのクリエイションとは、言葉を介さずに観る者とコミュニケーションできる作品、詩やメロディーのように鑑賞者に直接的に感動を与えられるものを作り出すことだ。
台湾の作曲家林語桐氏のCD「Unconscious Mind」制作時のビデオ。
林語桐氏の音楽から刺激を受けて岡本やすこが制作し、その絵からまた彼が作曲するという形でCDが制作された。
プロフィール
個展歴
2015年 ギャラリー Le Select パリ、フランス
2016年 Galerie 43 “意識と無意識“ パリ、フランス
2018年 台北 亜典芸術書籍店 “意識と無意識”
2019年
- 東京 ギャラリー ART MALL “Memories”
- 台北 アートスペース FreeStyle ”Memories”
グループ展歴
2022年 ハイアットホテル “ART Futures” 台北、台湾
2021年
- ギャラリーBeitou Times
- 絵画x詩x書道コラボレーション “幻x換“ 台北、台湾
- ギャラリーAuction Center Taipei ”Paris in Taipei” 台北、台湾
- オークションギャラリー Ethereal 前見展示会 台北、台湾
- ギャラリーAuction Center Taipei ”春のコレクション”、台北、台湾
- CC Gallery 選抜六人展 台北、台湾
- 鉅虹アートセンター 城市記藝記疫城市展 台北、台湾
2020年
アートスペース 我的時間 台北、台湾
- 現代音楽家と二人展“unconscious Mind “
亜典芸術書籍店 台北、台湾
- 現代音楽家と二人展 第二弾
- “unconscious Mind “
2019年
- NAU 21世紀現代美術展 東京
- ギャラリー中和 “真冬のシンフォニー” 東京
2016年 サロンドートンヌ パリ、フランス
2015年 サロンドートンヌ パリ、フランス